2017年10月25日にAmazonから発売された新型Fire TV(第3世代)を実際に購入し使い倒したので、良い所も悪い所も含めて徹底評価。4K/HDR対応のテレビと高速Wi-Fiインターネット環境があれば絶対に幸せになれるSTBなのは間違いなし。4Kテレビが無くても動作は超サクサクなのでその恩恵は受けられます。
目次でサクッと理解
まとめ
悪い点
- Fire TV Stickの方が安く、コスパが高い。
- 有線でネット接続するにはAmazonイーサネットアダプタ(1,780円)が必要。
- ミラーリング機能が使えなくなった(今後のアップデートで使えるようになる?Miracast Playerで解決できるらしいです)。
良い点
- アプリの起動と動作がとにかく高速。
- Youtube、Amazonビデオ、Netflix等の作品を4Kで視聴できる。
- 回線が高速ならWi-Fi接続でも4K画質がほぼずっと持続する。
- 4K・HDRに対応しているSTBの中では最安(8,980円)。
- 動画を4K画質で視聴中でもFire TV本体の温度はほんのり温かい程度なので、ヒートシンクの取り付けは不要。
4K対応のFire TVは何がスゴイ?
はっきり言って今回のFire TVは最高のデバイスです。4Kテレビをお持ちの方はすぐさま購入した方がいい…と言いたいところですが、あまりの人気っぷりに発売日当日では既に売り切れ状態でした。事前に予約していて良かったです。
アマゾンの商品ページには転売防止のためか「お一人様3個まで」と記載されているほど。実際に極稀に行われるセールでは普通に売り切れになっていることが多いです。
4K対応の中では超ハイスペックかつ圧倒的コスパ
今回購入したのは2017年10月25日に発売された、新しいFire TV(第3世代)です。価格は税込みで8,980円で、旧型のFire TV(第2世代)の11,980円と比較して3,000円安くなっています。
さらにスペックも向上。ハイダイナミックレンジであるHDR10方式の映像信号と、最大60fpsの4Kまでの解像度、デュアルアンテナWi-Fiと(MIMO) 802.11a/b/g/n/acに対応。
プロセッサ(CPU)は1.5GHzのクアッドコア、メモリーは2GB、8GBの内蔵ストレージを搭載しています。他にも迫力のあるオーディオを作り出す「Dolby Atmos」にも対応。
そしてこの新型Fire TVは、Fire TV Stickよりも40%も高性能とのこと。実際に使ってみると分かるのですが、とにかくアプリの起動と動作が爆速。NetflixもAbemaTVも一瞬で起動するので、「観たい」と思った時にすぐに好きな作品を視聴できます。
悪い点があるとすれば、別売りの「Amazon イーサネットアダプタ」がなければ有線LANでインターネットに接続できない点でしょう。ただ、Wi-Fi接続でも4K画質が持続する点にはけっこう感動しました。
ホーム画面に4K対応の作品が出現!
ちなみに、実はAmazonプライム会員であれば追加料金無しで4K・HDR対応の海外ドラマや映画を視聴することが可能です。
Fire TV Stickだと4K・HDR対応の作品は出てこなかったのですが、Fire TVに変えた途端にホーム画面に新しい列が出てきたので驚きました。
Fire TV Stickでは4K対応の作品を4K画質で視聴することはできず、画質は最高でもフルHDとなります。今後少しでも4K対応のテレビを購入する予定があるなら、間違いなく新型のFire TVを購入すべきでしょう。
実際に4K画質を堪能する方法とは?
15Mbps以上のダウンロード速度が必要
新型Fire TVは本当に素晴らしいデバイスですが、インターネット環境(Wi-Fi)が微妙だったりすると画質はHD(1080p)とUltra HD(4K)を行ったり来たりするかもしれません。
アマゾンの公式発表によると、「最低15Mbpsの回線速度が必要」とのことです。
4K Ultra HDでビデオを再生するには、最低15Mbpsの回線速度が必要です。一部のビデオアプリで4K Ultra HDをストリーミング再生するには、それ以上の回線速度が必要な場合があります。NetflixやYouTubeで4Kを視聴する場合には、最低20Mbpsの回線速度が必要です。
ただ私のインターネット環境は4Kで視聴するには十分な環境だったらしく、ほぼ常時4K画質で動画を視聴できています。
新型のFire TVが有線でインターネットに繋げられたら、さらに良かったでしょう。しかしダウンロード速度が15Mbpsであれば、まず問題なく4K画質で動画を視聴できるかと思います。
Wi-Fiの速度を測定して4Kで視聴できるか確認する
自宅のWi-Fi環境のダウンロード速度を調べるには、iPhoneやAndroid等のスマホでブラウザアプリ(SafariやGoogle Chrome)を開き、「BNRスピードテスト 画像読込み版(iPad iPhone などのFlash非対応版)」という回線速度計測サイトにてダウンロード速度を計測してみましょう。
サイト内にある「下り速度テスト開始」というボタンをタップすれば、自宅に回線速度をサクッと調べることが出来ます。
何度かテストしてみて、一度でも「最高データ転送速度」が15Mbps以上になれば問題ありません。4K画質でAmazonビデオやYoutubeを楽しめます。
大切なのはスマホやノートパソコン等、無線のWi-Fiで接続された機器で計測することです。有線で繋がっているデスクトップパソコンで計測しても、Wi-Fiの速度が速いかどうかは確認できないので。
「Amazon イーサネットアダプタ」があれば完璧
「自宅のWi-Fiは接続が不安定になる時がたまにあるんだよなぁ」という人は「Amazon イーサネットアダプタ」の購入を検討した方がいいかもしれません。
「Amazon イーサネットアダプタ」は新型のFire TVにも接続可能で、有線LANなら4K画質が安定します。さらなる快適さを求めるなら必須です。
「Amazon イーサネットアダプタ」があれば、Wi-Fiと比べて20%〜40%くらい回線速度が速くなります(それくらいの感覚)。「Amazon イーサネットアダプタ」のレビューは以下の記事を参考にしてください。
不満点があるとすれば、あと少し本体が大きくてもいいのでイーサネットに標準で対応してほしかったところですかね。
一瞬でも画質の乱れを起こしたくないという完璧主義の人は、別売りの「Amazon イーサネットアダプタ」を買い、有線LANでFire TVをインターネットに繋ぐのが得策です。まぁ、Wi-Fi接続でも全然4K画質で見られるんですけどね。そのへんは自宅のネット環境によって変わってきます。
ただ、有線LANの方が「高速インターネットに常に繋がっているから最強」という謎の安心感を持てるので、結果的にはストレスが減ります。Wi-Fiに繋がらないトラブルが発生しても有線LANならまず大丈夫というケースが多いですから。
▼Amazonイーサネットアダプタ商品ページ
息を呑むほど綺麗な4K・HDR映像が自宅で楽しめる
4K・HDR対応のテレビを持っている人なら、新型Fire TVの性能を余すところなく利用できます。
フルHDが限界なテレビであっても、新型Fire TVは動作がとてつもなくキビキビしているので使っていてストレスが全くありません。1〜5年以内に4Kテレビに買い換える予定が1ミリでもあるなら、Fire TV StickではなくFire TVを選ぶべきです。
なぜなら4KとHDRは本当に綺麗だから。たとえば画面に映っているカエルは生命感にあふれていて、まるで目の前にいるかのような感覚を覚えます。そして人物にいたっては細かいシワまで見えてしまう…フルHDとは世界が全く違います。
実際に、2016年6月に発売された東芝製の50型テレビ「50M500X(4K・HDR対応)」で4K対応の海外ドラマを視聴してみました。
4K対応の作品には「UHD」というマークがタイトル横に表示されます。
動画を選んで視聴する前にローディングしてくれる「ASAP機能」のおかげで、動画が高画質な状態からスタートしてくれることも。
インターネット環境によっては画質がUltra HD(4K)になるまで少し時間がかかるかもしれません。その場合は新しいルーターを買うなどして環境を買える必要があります。
HDR表示を確認できた!
Amazonプライム・ビデオには4KとHDRに対応している作品、4Kに対応しているもののHDRには対応していない作品、そもそも4Kに対応していない作品があります。
Amazonオリジナルの海外ドラマ「スニーキー・ピート」は4KとHDRに対応しており、REGZAの信号情報を確認するとちゃんと4KとHDRで表示されていることが確認できました。

信号情報を確認してみると、解像度が3840×2160(4K)、垂直周波数が60Hz、HDRになっていました(出典:スニーキー・ピート)
NetflixでHDR対応の作品を観てみましたが、余裕でHDRで視聴できました。
Amazonプライム会員であるなら最新の海外ドラマが4Kで観られます。むしろ4Kで視聴しないのは本当にもったいないです。プライム作品は既に続々と4KとHDRに対応しているので、4Kの時代が遂にやってきたんだと実感しました。
よくありそうな質問
実際のところどうよ?どれくらいの速さで画質は4Kになるのか
Fire TVの特徴として、動画を常にダウンロードしながら再生するストリーミング方式を採用していることが挙げられます。
Apple TV 4Kのように映画を一つずつ購入して、映画を観る前にファイルをダウンロードする方法なら、自宅の回線速度が遅くても常に4Kで映画を楽しめるので、それはそれで利点があります。
しかしFire TVはデータを保存できる容量を下げたりすることでコストカットを実現しています。なのでFire TVを選ぶ以上、Wi-Fi環境を整えてWi-Fiのダウンロード速度を上げるしか、4Kの作品を快適に視聴する方法はないわけです。
それでは実際のところ、Fire TVはどれくらいの速さで4K画質になるのか。Fire TVでAmazonビデオの視聴を開始すると、HD→HD(1080p)→Ultra HD(4K)という具合に徐々に映像の画質が上がっていきます。
地上波と同じ画質のフルHDの1080pまでは、5秒程度で画質が変わります。4Kの場合は、視聴開始から早ければ10秒、長くても1分程度で画質が4Kに変わりました。大抵は20~40秒程度で4Kになります。ただしWi-Fiの調子が悪いと2~3分かかることも稀に起きます。(※Wi-Fi環境によって4K画質になるタイミングは変わってきます)
驚きなのはYoutube。Fire TVには無料で利用できるYoutubeアプリが存在します(2018年6月1日時点ではFirefoxというブラウザアプリ経由で問題なくYoutubeを視聴できます)。
Youtubeだと動画が4Kに対応していれば視聴開始直後から画質が4Kになっていることがほとんど。一瞬で4Kが楽しめるのでビビります。初めから4Kになっていないこともたまにありますが、長くても7秒程度で4Kになるので不満はありません。
お気に入りのYoutuberが4K画質で投稿していたり、よくYoutubeを利用するなら、Fire TV Stickではなく間違いなくFire TVを選びましょう。しかしもちろん、4K・HDR対応のテレビも必要です。よくゲームをするなら東芝かソニーのテレビがおすすめです。
発熱問題は皆無。ただし故障率を下げたいならヒートシンクを
Fire TVシリーズといえば、2015年発売モデルのFire TV Stickには「過剰な発熱のせいでOSが強制終了してしまう」という問題がありました。幸いなことに500円程度で販売されているヒートシンクを両面テープでFire TV Stick本体に取り付けることで問題は解消できました。
幸いなことに、2017年発売モデルの新型Fire TV Stickは過剰に発熱することはありませんでした。それでは2017年10月25日発売のFire TVは…?
結論を言うと、新型Fire TVは過剰に熱くなることはありません。
Amazonプライム会員なら追加料金無しで観られるプライム作品を4Kでがっつり1時間ほど視聴し、Fire TVの本体に触ってみましたが「ほんのり温かい」程度で「熱い」ほどではありませんでした。
本体がオーバーヒートするほどではないので、Fire TVにヒートシンクを取り付ける必要はないと思います。ただ故障率を下げるという意味でヒートシンクを取り付けるという考え方はアリでしょう。
Alexaは使えるの?
アマゾン開発の人工知能AI「Alexa(アレクサ)」は、記事執筆時点では日本のFire TVシリーズに提供されていないので、まだ使えません。
ちなみにAlexaはAppleのSiriのようなもので、音声でAlexa対応の機器を操作したり、声で「アレクサ、ジャズを流して」と言えばジャズを再生してくれたりします。
Alexaに関しては以下の記事を参考にしてください。
Fire TVで4K画質を楽しむまでの手順
新型Fire TV、開封の儀
アマゾンから送られてきたのは、Fire TVシリーズでお馴染みのオレンジ色の小箱。小箱には4K ULTRA HD(最大60fps)、HDR、Dolby Atmosに対応している旨が書かれています。
オレンジの箱を開けてみると、黒い箱が出現。黒い箱を開けるとFire TVやその付属品が入っています。
入っていた商品や付属品は以下の通りです。
- Amazon Fire TV(第3世代)
- 音声認識リモコン
- 単4電池 2個
- 電源アダプタ
- USBケーブル
- 薄い説明書
音声認識リモコンは2017年に発売されたFire TV Stickに付いてきた物と同じみたいです。
リモコンの裏に蓋があるので、そちらに付属されている電池を投入します。
上記の付属品をFire TVに取っ付けると以下のようになります。
Fire TVをテレビに取り付ける
Fire TVのテレビへの取り付けはとても簡単。Fire TVのHDMI端子をテレビに接続して、USBケーブルでFire TVと電源アダプタをつなげた状態で電源アダプタをコンセントに挿し込むだけです。
埃のせいで醜くなって申し訳ないですが、テレビへの取り付けは以下のような感じになります。
いざ、Fire TV&4K・HDRの世界へ
テレビの電源を付けて、テレビのリモコンを使い入力切替を行い、Fire TVの入力に切り替えます。
まずはFire TVのリモコンをFire TVに認識させることから始まります。
後は言語を選択し、Wi-Fiに繋げるだけで完了。Fire TVとAmazonアカウントは出荷時に紐付けられているので、サインインする手間がなく超楽ちんです。
恐らく高い確率で最新ソフトウェアのダウンロード&インストールが間に挟まれるかと思います。私の場合はそうでした。
家族と共有して使う場合は機能制限を必ず有効にしておきましょう。個人で使うなら機能制限はまず必要はありません。
ここまでくるとチュートリアル動画が流れてきます。スマートフォンでもアプリを利用すればリモコン代わりになったり、プライム作品も4Kに対応していたり…。
チュートリアル動画が終わったら、Fire TVシリーズで代表的なアプリをダウンロードする場面に移ります。
DAZN(ダ・ゾーン)やスポナビライブも観られちゃいます。スポーツ好きにはたまらないのではないでしょうか。
ホーム画面はこんな感じです。上部にメニューがあり、上部半分はプライム対象作品の宣伝となっています。
煩わしいと感じる方もいるかもしれませんが、Amazon独占のお笑いバラエティ番組なんかは好き嫌いせずに一度観てみるとハマりますよ。特に松本人志のドキュメンタルなんかは見ないと損なレベルです。
視聴したばかりの作品はホーム画面に並べられていくので、途中から視聴をすぐに再開することが可能です。
購入したら必ず設定を確認しよう
ディスプレイ設定は「自動(4K Ultara HDまで)」になっていました。自動以外にも4Kの「2160p 60Hz」やフルHDの「1080p 60Hz」が選択可能です。
色深度はなるべく大きめの物を選択するといいでしょう。とりあえず最大12ビットを選択しました。
家族や友達と一緒に使う場合は「成人向けコンテンツの設定」を必ずチェックしておきましょう。「成人向けコンテンツの制限」をオンにすることで、18歳以上の成人向けコンテンツの表示を制限できます。
他にも「商品購入」や「アプリの起動」、「年齢別の視聴制限」や「Prime Photosアプリの起動」に制限をかけることが可能です。制限を掛けると、ビデオ等を購入する時やアプリを起動する場合に4桁の番号(PIN)をリモコンで入力する必要が出てきます。細かく設定できるので、状況に応じて変えていきましょう。
「子供がYoutubeばかり観て宿題を全くやらない」という場合は「アプリの起動をPINで保護」を有効にするといいです。
最後に:4K・HDR時代は既に到来している
「4KとHDRなんて、まだまだ早すぎるでしょ」と思っていたのですが、想像以上に4Kが映像作品に浸透していて驚きました。確かに全ての作品が4Kで視聴できるわけではありませんが、4KとHDRがこれからのスタンダードになるのは間違いないとFire TVを使ってみて強く実感しました。
とは言いつつも「フルHD(1080p)でもけっこう綺麗だなぁ…」と思ったこともしばしば。「とにかく費用を安く抑えたい!」という人はFire TV Stickで十分です。
しかし今後少しでも4K・HDRに移行する可能性があるという人はFire TVを選択した方がいいかもしれません。Fire TVの優れている点は画質だけではありません。動作がとてつもなくサクサクであることも見逃せません。
たとえ今使用しているテレビが4KとHDRに対応していなくても新型Fire TVなら、旧型のFire TV Stickにあった「動作のカクつき」や「OSの強制終了→再起動」といったストレスから解放してくれるはずです。
▼有線LANなら4K画質も安定します
▼とにかくコスパ重視ならFire TV Stick