「悩みにふりまわされてしんどいあなたへ 幸せになるためのいちばんやさしいメンタルトレーニング」を実際に読んで、誰にでも分かりやすいように大事な要素だけ要約してみました。
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本書の中にある言葉の定義
- 認知行動療法”ACT“とは「苦痛を受け入れて前に進むこと」
- 現実と向き合いながら成長し続ける状態が「成長ループ」
- 代替行動とは、役に立っていないのにやってしまっている行動のこと
- 苦痛=今ここにある
- 苦悩=今ここにない
- 言葉のルールとは、頭の中で「これはいけない」等と流れる時の言葉(思い込みを生んでいる「やる気」などの単語も含む)
人の特徴
- 人は悩まないようにしようとすればするほど悩む生き物
- 言葉のせいで「ゆううつループ」に入ってしまうことがある
- 人は現実や嫌な気持ちから避けるために代替行動をとりがち
- 代替行動をとると、さらに代替行動を繰り返してしまう(ゆううつループ)
- 感情は体の中にある
- 自分の感情を無視しがち
- 言葉で自分自身を苦しめることが出来てしまう
- 思い込みが激しい
- 言葉で仮想現実を作り出す(ネガティブな言葉が現実のように感じられてしまう)
- 現実よりも言葉で作られた仮想現実を優先しがち(「30までに結婚しなきゃ」等)
- 自分の思考パターンのせいで悩みが生まれる
- 他人を批判するとき、同じ言葉のルールで自分自信も裁いている
前進するために、今すぐした方がいいこと
- 代替行動が全く役に立っていないことを認めて、意図的に絶望する(創造的絶望)
- ゆううつループから抜け出すには感情を心底味わう
- 感情を味わう=現実を直視する
- 感情とは体の感覚に付けられたラベルのこと
- 自分がどんな感情を避けたがっているのか自覚する
- 感情を消そうとするよりも、その感情を味わう方が良い
- タイムラインメソッドを使う(客観的に思考の流れを見る)
- どんな思考(言葉や映像)を選ぶかは自分次第
- 思考自体を擬人化してみる
- 勝手に流れてくる言葉を真に受けないために、擬人化された思考の発言の語尾をかわいくしてみる(「ぽよ」とか「にゃん」)
- 違うルールを持っている人の視点に立ってみる
- 本書に書かれたエクササイズを通して自分の思考パターンを知る
- 自分で作った言葉のルールを変えていく
- 相手をコントロールしようとせずに、自分自身の行動に集中する
- 受け身の言葉を「〜したい」など、自分の行動に言い換えてみる
- 「やる気」や「自信」は幻想であることに気づく
- ネガティブな感情を楽しむ(人は映画を観るなどして、わざわざネガティブな感情を楽しむ生き物)
言葉のルールの難点
- ルールを信じている時は、そのルール自体が役に立つかどうか忘れてしまう
- ルールが有害になった時もそのルールを守ろうとしてしまう
- どんな時も常に正しいルールはほとんどない
- 自分のルールが、今、この状況で役に立つかどうかを考えることが大切
最後に:本書を読んだ感想「エクササイズこそが肝要」
それほど長くなく、平易な文章なのでサラサラ読めます。ただし本書の中にある「エクササイズ」を完了させるのが、人によっては時間が掛かるかもしれません(速ければ10分、遅ければ2時間以上)。必然的に、自分の中にあるトラウマ的な出来事・人物を引き出してしまうので。
しかしかなり苦しめなエクササイズ(この記事で解説するには長すぎるので省略)を終えた後、必ず何かしらの発見があるはずです。その発見のおかげで人生を前に進めるかもしれませんし、新たな視点を獲得できるかもしれません。
長年「自分」という存在について悩んできて、ある程度「自分」を悟った人にとっては「何を今さら」と思う箇所があるでしょう。しかし、本書に書かれたエクササイズを丁寧にこなすことや、言葉のルールの特徴について知ることは今後の人生においてかなり有益な情報となり得るはず。
この要約記事では詳しいことはバッサリ省略しています。Kindle版なら値段も1300円とそれほど高くありません。今後の人生のことを考慮すれば安いものでしょう。
悩みにふりまわされてしんどいあなたへ 幸せになるためのいちばんやさしいメンタルトレーニング
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志村祥瑚,石井遼介 セブン&アイ出版 2018-05-18
ラス ハリス 筑摩書房 2015-12-17